よしの法律事務所コラム

2016.10.12更新

10月15日に日弁連と各地の弁護士会との共催で、「全国一斉スポーツ法律相談」が実施されます。弁護士会としての取組は始めてのようです。

http://www.nichibenren.or.jp/event/year/2016/161015.html

福岡県でも無料の電話相談が、10月15日(土)の午後1時から4時まで開催されます。「なかなか相談することができず悩まれているスポーツ関係者」には悩みを少しでも解消するためにはいい機会になるのではないでしょうか。

http://www.fben.jp/whatsnew/2016/09/post_441.html

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所

2016.10.03更新

調停によって定めた婚姻費用につき、「事情に変更が生じたのか」(民法880条)が争われた事案になります。
調停が成立して、妻との間では、別居が継続しているにもかかわらず、別居の原因となった女性とは別の女性と交際して認知した子どもができたことから、夫から婚姻費用の減額を申立てられました。一審は減額の申立を却下しましたが、高裁では「相手方は、重婚的内縁関係から派生した婚外子の存在を考慮するのは、信義則に反すると主張するが、(婚外子も実子と同様)、抗告人から等しく扶養を受ける権利を有するから、上記主張は採用できない」と判断して、信義則違反の主張を否定しています。子どもの生活保障の観点からは、このような結論になると思いますが、本件のように夫の収入が多いケースではなく、夫の収入が少ない場合にはどうかと考えると、なかなか悩ましい問題だと思います。

弁護士吉野隆二郎

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2016.09.28更新

沖縄県知事が2015年10月13日に行った公有水面埋立の承認処分を取り消す処分(本件取消処分)を行ったことに対し、国(沖縄防衛局)が、地方自治法245条の7第1項に基づき、本件取消処分の取り消しを求める是正指示をしたが、知事が本件取消処分を取り消さない上、法定の期間内に是正の指示の取消訴訟をも提起しないことから、地方自治法251条の7に基づき、国が知事に対して、不作為の違法の確認を求めた事案です。
判決は以下にアップされています。

http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/chijiko/henoko/

行政訴訟の特殊な類型の事件のため、なかなか、理解が容易でない内容だと思いますが、「取り消すべき公益上の必要としては、自然海浜を保護する必要等があげられるが、他方、本件埋立事業を行う必要性(普天間飛行場の危険性の除去)自体は肯定できる。前者が後者に程度において勝ったというにすぎず、その分、取り消すべき公益上の必要が減殺される」とされていますが、沖縄の貴重な自然を守ることと、普天間飛行場の危険性の除去することの両方が実現できるような解決案は、本当にないのでしょうか。
私は、2013年7月の日弁連の調査、2015年2月の九弁連の調査と2回現地調査に参加しましたが、美しい海を見て、そこに生息する生物の説明を聞くと、どうして、この海を埋め立てなければならないのかの疑問が今も深まるばかりです。

弁護士吉野隆二郎

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投稿者: よしの法律事務所

2016.09.17更新

9月15日に熊本商工会議所ビルで行われた「海域再生対策検討作業小委員会」「生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会」の合同会議(第15回)を傍聴してきました。この会議では、平成18年12月に公表された「委員会報告」をこの10年間の研究成果をふまえてバージョンアップする報告書を作成するための議論が行われました。諫早湾内(A6海域)に関して「データがある2005年以降はベントスの減少はみられていない」というような記載がなされていました。このような記載では、諫早湾内には何の問題がないという誤解を与えるのではないかという指摘が委員からありました。諫早湾内は、かつてはタイラギの宝庫であり、2005年以前にタイラギが獲れなくなりました。諫早湾内の漁場環境の悪化の事実を記載することをできるだけ避けようとしている事務局の態度を見ると、何のためにこの作業をやっているのかについて疑問に思えました。「(諫早湾)干拓による潮流流速の影響については、諫早湾から島原半島沿岸での流速の低下を示す次のような複数のモニタリング又はシミュレーションの報告がある」という記載もありますが、そのような諫早湾干拓の問題へ踏み込んだ記載が少ないのが残念なところです。

弁護士吉野隆二郎

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投稿者: よしの法律事務所

2016.09.05更新

最高裁平成22年6月4日判決は,自動車の売買に際し,販売会社,信販会社及び購入者の三者間で,購入者が販売会社から自動車を買い受けるとともに,その売買代金を自己に代わって販売会社に立替払いすることを信販会社に委託すること,当該自動車の所有権が購入者に対する債権の担保として留保されること,及び,登録所有名義のいかんを問わず,販売会社に留保されている当該自動車の所有権が立替払いにより信販会社に移転し,購入者が立替金等債務を完済するまで信販会社に留保されること等を内容とする契約を締結したという事案につき,信販会社の取得する留保所有権の被担保債権(立替金等債権)が,販売会社の有していた留保所有権の被担保債権(売買代金債権)とは異なることから,信販会社が購入者との間で独自の留保所有権を設定したと評価すべきことを理由に,信販会社の留保所有権の取得につき,立替払の結果,販売会社が留保していた所有権が代位により信販会社に移転するという構成を否定し,信販会社が独自の留保所有権を行使するためには,信販会社の登録所有名義が必要であると判断したものである。
この判例が出てからは、信販会社に登録名義がない場合に、三者間の合意を前庭に信販会社が引き揚げた場合には、偏頗的な代物弁済として、否認権対象行為にあたるというという考え方も有力になっているところです。
この判決は、「自動車の割賦販売において,購入者の委託により,販売会社に対し割賦金債務の連帯保証をした信販会社が,購入者に代わって弁済したときには,法定代位により割賦金債権及び販売会社に留保された自動車の所有権を取得することが合意された事案において,信販会社が,保証債務の履行として,販売会社に割賦金債務 の弁済をした後に,購入者について破産手続が開始された場合,信販会社は,破産手続開始の時点で自動車の所有登録名義を得ていなくても,破産管財人に対し,別除権の行使として,留保所有権に基づく自動車の引渡しを求めることができる」と判断しました。この判決は、信販会社が連帯保証をしており、法定代位を根拠とすることなどから、自動車の引き渡しを認めました。
このように細かいところで判断が分かれると、倒産手続きの際に自動車の引き揚げにどう対応したらいいか、悩みが増えるばかりです。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=85940

弁護士吉野隆二郎

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投稿者: よしの法律事務所

2016.08.25更新

婚姻費用の支払い義務者(夫)が、申立人(妻)が居住していた自宅の住宅ローンを支払っていた場合(二重払いのケース)に婚姻費用をどのように定めるのかという点に関する審判です。
審判では「標準的算定表は、別居中の権利者世帯と義務者世帯が、統計的数値に照らして標準的な住居費をそれぞれ負担していることを前提として標準的な婚姻費用分担金の額を算定するという考え方に基づいている。しかるところ、義務者である相手方は、上記認定のとおり、平成26年×月まで、権利者である申立人が居住する自宅に係る住宅ローンを全額負担しており、相手方が権利者世帯の住居費をも二重に負担していた。従って、当事者の公平を図るためには、平成26年×月までの婚姻費用分担金を定めるに当たっては、上記の算定額から、権利者である申立人の総収入に対応する標準的な住居関係費を控除するのが相当である」と判断されています。
このケースのように、住宅ローンと家賃の二重払いになるような場合には、住宅ローンの支払額を算定表にあてはめる義務者の年収から差し引くとか、住宅ローンの支払額を特別経費として基礎収入率を定めるとか、住宅ローンの支払額の一定の割合を算定表による算定結果から控除するなど様々な考え方がありますが、この論点を検討する際に参考になると考え方だと思います。

弁護士吉野隆二郎

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投稿者: よしの法律事務所

2016.08.19更新

養育費に関する決定で、大学の学費を請求した事案になります。実際には私立大学に進学したケースのようですが、公立高校の一般的な学費と大学の一般的な学費とを比較して、超過する大学の学費部分に関して、どのような負担をすべきかを検討しています。そして、両親の収入を前提に、仮に離婚していなかったとしても、両親の収入で学費をすべてまかなうことは困難であって本人が奨学金を受け、あるいは、アルバイトをするなどして学費の一部を負担しなければならないような状況であったと認定したうえで、超過額の3分の1に相当する額の負担するのが相当と判断しています。
また、大学の進学を認めていたことを前提に満22才までの養育費が認められています。
大学に進学した場合の養育費を考えるに際して、参考になる1つの決定だと思います。

弁護士吉野隆二郎

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2016.08.10更新

福島第一原子力発電所の事故があった直後には、夏に電気が不足するというような話題がありましたが、最近は、ほとんど話題にもなっていないように思います。国の総合資源エネルギー調査会:基本政策分科会:電力需給検証小委員会において、「2016年度夏季の電力需給見通しについて」検討がなされたようですが、九州電力管内では、14.1%の予備率があるようで、安定的な電力供給に望ましいとされる7~8%の予備率は十分に確保できているようです。それほど余裕があるので、毎日のように猛暑が続いても、電力不足というような言葉がニュースにならないのでしょう。太陽光発電の普及により、「点灯帯供給力」という言葉も生まれているようです。新電力がメガソーラーを多く持っているからでしょうが、太陽光の出力が低下した時間帯の方が、需給状況が厳しくなるようです。
ところで、九州電力の予備率に相当する電力は221万キロワットで、川内原発の発電量の178万キロワットを上回ります。もう少し別の電力供給源を増やせば、川内原発を動かす必要はないのにと思うところです。

弁護士吉野隆二郎

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2016.08.02更新

民事再生法の手続き中の会社に関する判例です。新聞報道によれば、リーマン・ブラザース証券会社が、野村信託銀行に対して清算金を請求したところ、関連会社の野村証券の債権と相殺するということで支払いを拒んでいたという事案のようです。
判決は、「再生債務者に対して債務を負担する者が,当該債務に係る債権を受働債権とし,自らと完全親会社を同じくする他の株式会社が有する再生債権を自働債権としてする相殺は,これをすることができる旨の合意があらかじめされていた場合であっても,民事再生法92条1項によりすることができる相殺に該当しないものと解するのが相当である。」と判示しています。民事再生手続きにおいて、債権者を平等に取り扱うためには、「関係会社」の債権まで相殺可能だというのは、広すぎるような感じがしますので、結論としては妥当なものだと考えます。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85999

弁護士吉野隆二郎

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投稿者: よしの法律事務所

2016.07.25更新

報道によれば、ジュピターテレコム株式会社(ケーブルテレビのJ-COM)を完全子会社化するための手続きに関する決定のようです。
「多数株主が株式会社の株式等の公開買付けを行い,その後に当該株式会社の株式を全部取得条項付種類株式とし,当該株式会社が同株式の全部を取得する取引において,独立した第三者委員会や専門家の意見を聴くなど多数株主等と少数株主との間の利益相反関係の存在により意思決定過程が恣意的になることを排除するための措置が講じられ,公開買付けに応募しなかった株主の保有する上記株式も公開買付けに係る買付け等の価格と同額で取得する旨が明示されているなど一般に公正と認められる手続により上記公開買付けが行われ,その後に当該株式会社が上記買付け等の価格と同額で全部取得条項付種類株式を取得した場合には,上記取引の基礎となった事情に予期しない変動が生じたと認めるに足りる特段の事情がない限り,裁判所は,上記株式の取得価格を上記公開買付けにおける買付け等の価格と同額とするのが相当である。」と判断しました。
独立した第三者委員会や専門家の意見を聴くなど意思決定過程が恣意的になることを排除するための措置が講じられるなどの手続き保障がなされたと裁判所が判断した場合には、少数株主が価格に対する不服を述べることは難しいということを示した決定です。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85989

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所


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