よしの法律事務所コラム

2023.04.10更新

珍しい民事訴訟法の手続違反に関する最高裁判決です。
なぜか、相手方が出頭していない欠席判決を、口頭弁論に関与していなかった裁判官が言い渡してしまった事案のようです。
原告側は、民事再審の事由になるため、控訴して、あらためて、全面認容判決を求めたようですが、原審の大阪高裁は、全面認容判決のため控訴の利益はないとして、控訴を却下したようです。
最高裁は「同判決には民事訴訟の根幹に関わる重大な違法があるというべきである。また、上記の違反は、訴訟記録により直ちに判明する事柄であり、同法338条1項1号に掲げる再審事由に該当するものであるから、上記の第1審判決によって紛争が最終的に解決されるということもできない」ということを理由に「全部勝訴した原告であっても、第1審判決に対して控訴をすることができると解するのが相当である」として、原判決を破棄して大阪高裁に差し戻しました。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91938
民事訴訟法上の再審事由があることが明らかな事案であるように思いますので、紛争の最終的な解決のために控訴の利益を認めた判断は正当だと思います。

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所


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