よしの法律事務所コラム

2016.08.02更新

民事再生法の手続き中の会社に関する判例です。新聞報道によれば、リーマン・ブラザース証券会社が、野村信託銀行に対して清算金を請求したところ、関連会社の野村証券の債権と相殺するということで支払いを拒んでいたという事案のようです。
判決は、「再生債務者に対して債務を負担する者が,当該債務に係る債権を受働債権とし,自らと完全親会社を同じくする他の株式会社が有する再生債権を自働債権としてする相殺は,これをすることができる旨の合意があらかじめされていた場合であっても,民事再生法92条1項によりすることができる相殺に該当しないものと解するのが相当である。」と判示しています。民事再生手続きにおいて、債権者を平等に取り扱うためには、「関係会社」の債権まで相殺可能だというのは、広すぎるような感じがしますので、結論としては妥当なものだと考えます。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85999

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所


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