よしの法律事務所コラム

2016.08.25更新

婚姻費用の支払い義務者(夫)が、申立人(妻)が居住していた自宅の住宅ローンを支払っていた場合(二重払いのケース)に婚姻費用をどのように定めるのかという点に関する審判です。
審判では「標準的算定表は、別居中の権利者世帯と義務者世帯が、統計的数値に照らして標準的な住居費をそれぞれ負担していることを前提として標準的な婚姻費用分担金の額を算定するという考え方に基づいている。しかるところ、義務者である相手方は、上記認定のとおり、平成26年×月まで、権利者である申立人が居住する自宅に係る住宅ローンを全額負担しており、相手方が権利者世帯の住居費をも二重に負担していた。従って、当事者の公平を図るためには、平成26年×月までの婚姻費用分担金を定めるに当たっては、上記の算定額から、権利者である申立人の総収入に対応する標準的な住居関係費を控除するのが相当である」と判断されています。
このケースのように、住宅ローンと家賃の二重払いになるような場合には、住宅ローンの支払額を算定表にあてはめる義務者の年収から差し引くとか、住宅ローンの支払額を特別経費として基礎収入率を定めるとか、住宅ローンの支払額の一定の割合を算定表による算定結果から控除するなど様々な考え方がありますが、この論点を検討する際に参考になると考え方だと思います。

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所