よしの法律事務所コラム

2017.06.06更新

GPS端末を取り付けて位置情報を検索し把握する刑事手続上の捜査の適法性が争われて大きく報道された判決となります。
最高裁は、「憲法35条は、『住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利』を規定しているところ、この規定の保障対象には、『住居、書類及び所持品』に限らずこれらに準ずる私的領域に『侵入』されることのない権利が含まれるものと解するのが相当である」と判断しました。すなわち、憲法35条には「私的領域に侵入されることのない権利も含まれる」ということを最高裁が認めました。
そして、それを前提に、「個人のプライバシーの侵害を可能とする機器をその所持品に秘かに装着することによって、合理的に推認される個人の意思に反してその私的領域に侵入する捜査手法であるGPS捜査は、個人の意思を制圧して憲法の保障する重要な法的利益を侵害するものとして、刑訴法上、特別の根拠規定がなければ許容されない強制の処分に当たるとともに、一般的には、現行犯人逮捕等の令状を要しないものとされている処分と同視すべき事情があると認めるのも困難であるから、令状がなければ行うことのできない処分と解すべきである」と判断しました。
結論としては、別の証拠から有罪が認定できるということで、上告は棄却されましたが、GPS捜査に令状を必要とした判断は、十分な意義があるように思います。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86600

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所