よしの法律事務所コラム

2016.09.17更新

9月15日に熊本商工会議所ビルで行われた「海域再生対策検討作業小委員会」「生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会」の合同会議(第15回)を傍聴してきました。この会議では、平成18年12月に公表された「委員会報告」をこの10年間の研究成果をふまえてバージョンアップする報告書を作成するための議論が行われました。諫早湾内(A6海域)に関して「データがある2005年以降はベントスの減少はみられていない」というような記載がなされていました。このような記載では、諫早湾内には何の問題がないという誤解を与えるのではないかという指摘が委員からありました。諫早湾内は、かつてはタイラギの宝庫であり、2005年以前にタイラギが獲れなくなりました。諫早湾内の漁場環境の悪化の事実を記載することをできるだけ避けようとしている事務局の態度を見ると、何のためにこの作業をやっているのかについて疑問に思えました。「(諫早湾)干拓による潮流流速の影響については、諫早湾から島原半島沿岸での流速の低下を示す次のような複数のモニタリング又はシミュレーションの報告がある」という記載もありますが、そのような諫早湾干拓の問題へ踏み込んだ記載が少ないのが残念なところです。

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所


SEARCH


ARCHIVE


CATEGORY