よしの法律事務所コラム

2017.01.30更新

適格消費者団体が、健康食品の小売販売等を営む会社に対して、同会社が自己の商品の原料の効用等を記載した新聞折込チラシを配布することが,消費者契約(法2条3項)の締結について勧誘をするに際し法4条1項1号に規定する行為(「重要事項について事実と異なることを告げること」によって消費者が「当該告げられた内容が事実であるとの誤認を行うこと」)に該当するとして消費者契約法12条1項及び2項(適格消費者団体の差止請求権)に基づき, 新聞折込チラシに上記の記載をすることの差止め等を求めた事案です。
最高裁は「事業者等による働きかけが不特定多数の消費者に向けられたものであったとしても,そのことから直ちにその働きかけが法12条1項及び2項にいう「勧誘」に当たらないということはできないというべきである」として、新聞折り込みでチラシを配布する場合にも、「勧誘」に該当する場合があることを認めました。
結論としては、「本件チラシの配布について上記各項にいう『現に行い又は行うおそれがある』ということはできないから,上告人の上記各項に基づく請求を棄却した原審の判断は,結論において是認することができる。」として差止めは認めませんでしたが、新聞折込チラシでも、その内容によっては、差し止めも可能になるということであり、消費者保護の観点では一歩前進した内容だと思います。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86454

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所


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