よしの法律事務所コラム

2018.06.26更新

正社員と有期労働契約を結んだ社員との間の賃金待遇の違いが争われた最高裁判決が同じ日に2つ出されましたが、そのうちの1つの判決になります。
トラック運転手のケースで、「住宅手当」については、全国規模での広域移動の可能性があることから正社員にしか支給しないことは不合理ではないと判断しましたが、「皆勤手当」「無事故手当」「作業手当」「給食手当」「通勤手当」については、手当の趣旨から検討したうえで、「手当の金額が異なるという労働条件の相違は,不合理であると評価することができる」と判断して、正社員との差額の損害賠償を認めました。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87784
この判決をふまえて、今後は、手当の趣旨から判断するという手法が、一般的になっていくのだろうと思います。

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所

2018.06.18更新

九州弁護士会連合会の環境問題に関する連絡協議会の委員として、長崎県で建設が予定されている石木ダムの現地調査に参加しました。長崎県と佐世保市はヒアリング調査を受け入れていただけないとのことで、土地収用などの対象となっておられる住民の方々からお話しをお聞きするとともに、現地の状況を見て来ました。
事業の内容を聞いて、支流の流量をカットすることによって本体の河川の下流に治水効果があるとは考えにくいことや、佐世保市の水需要が現時点で逼迫しているとも思われないことから、事業の必要性については疑問に思いました。他の大型公共事業でも言えることなのですが、当初の計画が昭和37年からあったという話で、50年以上の時間が経過する中で、目的を変えながら計画が生き続けるのはどうしてなのかと不思議に思うばかりです。
また、石木ダムが建設されただけでは、佐世保市に新たな水源の水が供給できるわけでなく、さらなる導水事業に300億円もの費用がかかるとすれば、むしろ、佐世保市民とって過大な負担になる事業ではないかとも思いました。

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所

2018.06.11更新

6月6日から7日にかけて、第43回公害被害者総行動が開催されました。私は有明弁護団の一員として、農水省との交渉に参加しました。開門を命じた確定判決に基づく強制執行をできなくすることを目的に国が提訴した請求異議訴訟の控訴審(福岡高裁)における和解協議において、開門しないことを前提として「基金」を作ることが国から提案されました。この「基金」は、農水省の担当者によれば、有明海再生のために必須なものではなく、「基金を活用して効果が出るように努力する」というレベルのものだという説明でした。私たちからは、裁判で和解するか(開門の可否をどうするか)の話と、有明海を再生させるための手段の1つとして基金を設立することは別の次元の話ではないか、基金を創設するには特別な理由が必要だとしても、有明海の再生のためには特別措置法まであるのだから、その法律の枠内で基金を設立することは可能ではないかなどと、「開門の可否」と切り離して、基金を設立するのであれば私たちも最大限協力するという話もしましたが、農水省の担当者には聞き入れてもらえませんでした。
効果があるのかわからない「基金」を創設するために、有明海の再生の第一歩となる開門請求権を放棄させようとするという農水省の態度には納得がいきません。

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所