よしの法律事務所コラム

2018.05.26更新

県議会における議員の発言が不穏当であるということで、その発言が会議録の原本には掲載されているものの配布用の会議録などに掲載されなかったことについて、県議会議長が会議規則に基づき当該発言を取り消した行為を、行政処分ととらえてその取り消しを求める裁判を提訴した事案のようです。
高裁では、司法審査の対象となると判断されたようですが、最高裁においては、地方自治法の趣旨から、「議員の議事における発言に関しては,議長に当該発言の取消しを命ずるなどの権限を認め,もって議会が当該発言をめぐる議場における秩序の維持等に関する係争を自主的,自律的に解決することを前提としているものと解される」と解釈して、「県議会議長の県議会議員に対する発言の取消命令の適否
は,司法審査の対象とはならないと解するのが相当である」と判断しました。
地方議会の自律的な運営をどう考えるのかということについて考えさせられる判決だと思います。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87701

弁護士吉野隆二郎

投稿者: よしの法律事務所

2018.05.17更新

株券が発行されていない株式を差し押さえた債権者が、売却命令まで得て株式を売却した後に、配当異議の訴えが提起されたことから、配当額に相当する金銭の供託がされた後に、債務者が破産して破産管財人が選任された場合に、差押え手続の効力がどうなるかが争われた事案のようです。
最高裁は、強制執行は終了していなかったということを前提に、執行裁判所が差押命令を取り消したという判断は正当だと結論づけました。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87689
破産しそうな債務者に、破産しないうちに、判決などの債務名義を取得して強制執行で回収をはかるということは弁護士なら誰でも考えることですが、ほんのちょっとの差で優先的な回収ができなくなるというリスクについて考えさせられる判例です。

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所

2018.05.07更新

免責された債権とその債権を被担保債権としていた抵当権の扱いがどうなるのかについての最高裁の判決です。
最高裁は「免責許可の決定の効力を受ける債権は、債権者において訴えをもって履行を請求しその強制的実現を図ることができなくなり、上記債権については、もはや民法166条1項に定める「権利を行使することができる時」を起算点とする消滅時効の進行を観念することができないというべきである」ということを前提に、「抵当権の被担保債権が免責許可の決定の効力を受ける場合には、民法396条は適用されず、債務者及び抵当権設定者に対する関係においても、当該抵当権自体が、同法167条2項所定の20年の消滅時効にかかると解するのが相当である」と判断しました。
この判例を前提にしても、20年以内に競売手続等の権利行使をしないと抵当権も消滅時効にかかることになります。珍しいケースだとは思います。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87485

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所