よしの法律事務所コラム

2016.08.25更新

婚姻費用の支払い義務者(夫)が、申立人(妻)が居住していた自宅の住宅ローンを支払っていた場合(二重払いのケース)に婚姻費用をどのように定めるのかという点に関する審判です。
審判では「標準的算定表は、別居中の権利者世帯と義務者世帯が、統計的数値に照らして標準的な住居費をそれぞれ負担していることを前提として標準的な婚姻費用分担金の額を算定するという考え方に基づいている。しかるところ、義務者である相手方は、上記認定のとおり、平成26年×月まで、権利者である申立人が居住する自宅に係る住宅ローンを全額負担しており、相手方が権利者世帯の住居費をも二重に負担していた。従って、当事者の公平を図るためには、平成26年×月までの婚姻費用分担金を定めるに当たっては、上記の算定額から、権利者である申立人の総収入に対応する標準的な住居関係費を控除するのが相当である」と判断されています。
このケースのように、住宅ローンと家賃の二重払いになるような場合には、住宅ローンの支払額を算定表にあてはめる義務者の年収から差し引くとか、住宅ローンの支払額を特別経費として基礎収入率を定めるとか、住宅ローンの支払額の一定の割合を算定表による算定結果から控除するなど様々な考え方がありますが、この論点を検討する際に参考になると考え方だと思います。

弁護士吉野隆二郎

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投稿者: よしの法律事務所

2016.08.19更新

養育費に関する決定で、大学の学費を請求した事案になります。実際には私立大学に進学したケースのようですが、公立高校の一般的な学費と大学の一般的な学費とを比較して、超過する大学の学費部分に関して、どのような負担をすべきかを検討しています。そして、両親の収入を前提に、仮に離婚していなかったとしても、両親の収入で学費をすべてまかなうことは困難であって本人が奨学金を受け、あるいは、アルバイトをするなどして学費の一部を負担しなければならないような状況であったと認定したうえで、超過額の3分の1に相当する額の負担するのが相当と判断しています。
また、大学の進学を認めていたことを前提に満22才までの養育費が認められています。
大学に進学した場合の養育費を考えるに際して、参考になる1つの決定だと思います。

弁護士吉野隆二郎

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投稿者: よしの法律事務所

2016.08.10更新

福島第一原子力発電所の事故があった直後には、夏に電気が不足するというような話題がありましたが、最近は、ほとんど話題にもなっていないように思います。国の総合資源エネルギー調査会:基本政策分科会:電力需給検証小委員会において、「2016年度夏季の電力需給見通しについて」検討がなされたようですが、九州電力管内では、14.1%の予備率があるようで、安定的な電力供給に望ましいとされる7~8%の予備率は十分に確保できているようです。それほど余裕があるので、毎日のように猛暑が続いても、電力不足というような言葉がニュースにならないのでしょう。太陽光発電の普及により、「点灯帯供給力」という言葉も生まれているようです。新電力がメガソーラーを多く持っているからでしょうが、太陽光の出力が低下した時間帯の方が、需給状況が厳しくなるようです。
ところで、九州電力の予備率に相当する電力は221万キロワットで、川内原発の発電量の178万キロワットを上回ります。もう少し別の電力供給源を増やせば、川内原発を動かす必要はないのにと思うところです。

弁護士吉野隆二郎

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投稿者: よしの法律事務所

2016.08.02更新

民事再生法の手続き中の会社に関する判例です。新聞報道によれば、リーマン・ブラザース証券会社が、野村信託銀行に対して清算金を請求したところ、関連会社の野村証券の債権と相殺するということで支払いを拒んでいたという事案のようです。
判決は、「再生債務者に対して債務を負担する者が,当該債務に係る債権を受働債権とし,自らと完全親会社を同じくする他の株式会社が有する再生債権を自働債権としてする相殺は,これをすることができる旨の合意があらかじめされていた場合であっても,民事再生法92条1項によりすることができる相殺に該当しないものと解するのが相当である。」と判示しています。民事再生手続きにおいて、債権者を平等に取り扱うためには、「関係会社」の債権まで相殺可能だというのは、広すぎるような感じがしますので、結論としては妥当なものだと考えます。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=85999

弁護士吉野隆二郎

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投稿者: よしの法律事務所