よしの法律事務所コラム

2019.01.30更新

諫早湾の排水門の開門を求めて、長崎県の諫早湾内の漁業者が長崎地方裁判所に提訴した裁判において、1月28日に、堤裕昭教授の証人尋問(主尋問)が行われました。堤教授の研究は現場での観測をその論拠とするもので、これまでも説得力があると思っておりましたが、有明海奥部の底質の状態から、過去に東側と西側で非対称性な流れがあったということを突き止めたのは、非常に大きな成果だと思います。そして、その非対称性な流れが、東側と西側で対称に近くなった結果として、有明海奥部の西側の流れが速くなることについて理論的にわかりやすく整理していただけました。公害等調整員会の原因裁定手続きにおいて、有明海湾奥部の西側の潮流が速くなっているという専門委員のシミュレーションの結果(例えば、下の図)や現地観測の結果をもって、潮受け堤防による締切りと潮流の減少との因果関係が否定されましたが、その判断が誤りであったことは明確になったと思います。

専門委員報告書

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所


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