よしの法律事務所コラム

2017.11.08更新

県議会の議員の政務活動費の中に使途の基準に違反して支出されたものがあるとして、当該支出をした議員らに不当利得の返還を求める住民訴訟において、住民側が県議会の議長に提出された政務活動費の支出に係る領収書などの資料を、議長の所属する自治体(県)に文書提出命令を申し立てた事案のようです。
自治体は、文書の所持者は議長なので、自治体に提出義務はないとして争ったようです。
最高裁は、地方公共団体は、その機関が保管する文書について、文書提出命令の名宛人となる文書の所持者にあたると判断して、自治体の抗告を棄却しました。
条例では支出の報告資料は議長に提出すると定められているようですが、結局は、県議会の資料の保管場所、すなわち、県の施設の中に保管されている資料なのでしょうし、行政が保管する文書を、単純な名宛人の名義を前提に開示しないことは問題だと思われますので、妥当な判断だと思います。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87116

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所


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