よしの法律事務所コラム

2017.10.26更新

個人情報の外部による漏えいによって精神的な苦痛を被ったとして慰謝料等の損害賠償を求めた事件の最高裁の判決です。
判示によれば、「被上告人のシステムの開発、運用を行っていた会社の業務委託先の従業員であった者が、被上告人のデータベースから被上告人の顧客等に係る大量の個人情報を不正に持ち出したことによって生じたものであり、上記の者は、持ち出したこれらの個人情報の全部又は一部を複数の名簿業者に売却した」という事案において、大阪高裁は「本件漏えいによって、上告人が迷惑行為を受けているとか、財産的な損害を被ったなど、不快感や不安を超える損害を被ったことについての主張、立証がされていない」から請求を認めなかったようです。
これに対して最高裁は、「本件漏えいによって、上告人は、そのプライバシーを侵害された」から、「プライバシーの侵害による上告人の精神的損害の有無及びその程度等について十分に審理することなく、不快感等を超える損害の発生についての主張、立証がされていないということのみから」請求を認めなかったことは、「不法行為における損害に関する法令の解釈適用を誤った結果、上記の点について審理を尽くさなかった違法がある」として、判決を破棄して大阪高裁に差し戻すという判断を示しました。
個人情報の保護について慎重な対応が求められるということを考えさせられる判決です。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87154

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所