よしの法律事務所コラム

2017.08.07更新

認定司法書士が、140万円を超える過払い請求の事件について、裁判外で締結した和解書の効力が争われた事案となります。
判決は「認定司法書士が委任者を代理して裁判外の和解契約を締結することが同条(弁護士法72条)に違反する場合であっても、当該和解契約は、その内容及び締結に至る経緯等に照らし、公序良俗違反の性質を帯びるに至るような特段の事情がない限り、無効とはならないと解するのが相当である」と判断して、認定司法書士と依頼者との委任契約は無効と判断しながら、和解契約は無効とならない場合があることを認める判断をしました。
そして、「これを本件についてみると、前記事実関係等によれば、本件和解契約の内容は、本件取引に係る約330万円の過払金等について上告人(貸金業者)が200万円を支払うことにより紛争を解決するというものであり、その締結に至る経緯をみても、補助参加人は、A(依頼者)に対し、本件取引に係る過払金の額を説明し、Aの理解を得た上で、Aの意向に沿った内容の本件和解契約を締結したというのであって、上記特段の事情はうかがわれず、本件和解契約を無効ということはできない」と和解契約を無効とは判断しませんでした。
判決では「Aは、上告人に対して約330万円の過払金の返還請求ができること等を理解していたが、訴訟になる場合の負担等を考慮して、上告人から200万円の支払を受ける内容の和解をすることとした」と事実整理されていますが、貸金業者の資力によりますが、「訴訟になる場合の負担等を考慮して」も、計算上の過払い金額の60%ほどで和解するという不利益を十分に説明したのかについては疑問が残るように思います。
最高裁は「紛争が解決されたものと理解している当事者の利益」を重視したように思います。一方、最高裁は「弁護士法72条に違反して締結された委任契約は上記のとおり無効となると解されるから、当該認定司法書士は委任者から報酬を得ることもできないこととなる」とも判断していますので、認定司法書士が報酬を得ていれば、無効ということで取り戻せることにはなりそうです。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86944

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所