よしの法律事務所コラム

2017.02.06更新

節税目的による孫の養子縁組が、民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に該当して無効になるのかが争われた事案です。
「養子縁組は、嫡出親子関係を創設するものであり、養子は養親の相続人となるところ、養子縁組をすることによる相続税の節税効果は、相続人の数が増加することに伴い、遺産に係る基礎控除額を相続人の数に応じて算出するものとするなどの相続税法の規定によって発生し得るものである。相続税の節税のために養子縁組をすることは、このような節税効果を発生させることを動機として養子縁組をするものにほかならず、相続税の節税の動機と縁組をする意思とは、併存し得るものである。したがって、専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても、直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう『当事者間に縁組をする意思がないとき』に当たるとすることはできない」として、節税の動機と養子縁組をする意思とは併存しうるということを前提に、養子縁組は有効だと判断しました。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86480
それでは養子の人数を何人でも増やせば、節税ができるかといえば、「被相続人に実の子供がいる場合1人まで」「被相続人に実の子供がいない場合2人まで」などの税法上の制約もありますので、結論としては妥当なように思います。

https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4170.htm

弁護士吉野隆二郎

福岡市博多区博多駅前2-10-12-208

投稿者: よしの法律事務所


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