2016.06.30更新

6月24日に天神チクモクビル大ホールで行われた「海域再生対策検討作業小委員会」「生物・水産資源・水環境問題検討作業小委員会」の合同会議(第14回)を傍聴してきました。この会議で始めて「再生方策」のたたき台が示されました。貧酸素水塊を軽減させるという目標は掲げられていましたが、例えば、その対策としては、①汚濁負荷量を増加させない、②有用2枚貝の生息料を回復させるための生息環境を保全・再生する(例えば、カキ礁を再生する)、③ベントスの生息密度を回復させるための生息環境を保全・再生し多様性を確保するがあげられていましたが、いずれも貧酸素水塊を直接軽減できるような対策ではなく、むしろ、軽減された結果として回復すべき漁場環境が述べられているにすぎないものでした。その他、覆砂や調査の継続など、これまでと何も変わらないものでした。委員の1人からは、いつまでに何をするのかという計画になっていないのではないかという指摘がありました。事務局は、その質問に対して、正面から回答はできていませんでした。開門をタブー視した再生策に限界があることは明らかになってきていると感じました。

弁護士吉野隆二郎

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